鏡を見て、ふと思う。
「なんだか、顔全体が暗い」
「ファンデを塗っても、なんだか冴えない」
「気づけば、シミが増えている気がする」
更年期に入って、そんな“くすみ”や“シミ”が気になっていませんか。
実は「くすみ」は、ひとつの原因ではありません。そして「シミ」には、化粧品でできること・できないことの、正直な線引きがあります。今日は、その仕組みと、これからのケアを、薬剤師として、そして同じ世代の当事者として、整理します。
「なんだか、顔が暗い」その正体は?
シミのように”点”ではなく、顔全体が、ぼんやり暗く見える。これが「くすみ」です。
やっかいなのは、くすみには、いくつもの原因が混ざっていること。だから「これを塗れば解決」と、一本道ではいかないのです。
まずは、”自分のくすみが何タイプか”を知るところから。
「くすみ」には、いくつかの種類がある
ざっくり分けると、こんな種類があります。
- 乾燥ぐすみ:うるおい不足で、肌の表面がゴワつき、影が出る
- 血行によるくすみ:巡りが悪く、青ぐろく・どんより見える(軽い運動・入浴などで、比較的変えやすいタイプ)
- 古い角質によるくすみ:ターンオーバーが遅れ、古い角質が溜まってくすむ
- メラニンによるくすみ:紫外線などで、色素が肌全体に沈着
- 糖化による黄ぐすみ:糖化(”体のコゲ”)で、肌が黄ばんで見える
→ 更年期のくすみは、これらが複数、重なっていることが多いんです。
更年期で、くすみ・シミが増えやすいのはなぜ?
理由が、いくつも重なります。
- ターンオーバーが遅くなる:エストロゲンの低下で、肌の水分やコラーゲンが減り、バリアもゆらぎがちに。その結果、生まれ変わりがゆっくりになり、古い角質やメラニンが溜まりやすくなります
- 乾燥しやすい:うるおい不足で、くすんで見える
- 紫外線の影響:長年の蓄積が、シミ・色ムラに
- 糖化:血糖の乱れによる黄ぐすみも、一因として(ただし影響には個人差があり、紫外線や乾燥のほうが大きいことが多いです)
→ つまり、更年期のくすみは、代謝の低下・乾燥・紫外線を主に、いくつもの要因が重なった”合わせ技”。だからこそ、対策も”合わせ技”になります。
シミ(メラニン)と、紫外線
くすみの中でも、はっきりした”点”になるのがシミ。その大きな原因が、紫外線です。
紫外線を浴びると、肌は自分を守るためにメラニン(色素)を作ります。若い頃は、ターンオーバーで自然に排出されていたものが、更年期は排出が遅れ、居座って、シミになる。
→ だから、シミ対策の土台も、やっぱり紫外線対策。(UV対策の記事も、あわせてどうぞ → 内部リンク)
できること:くすみ・シミは「予防が9割」
いちばん大事なのは、新しく作らせない・溜めさせないこと。
① 紫外線を防ぐ(最優先)
シミもメラニンくすみも、紫外線が引き金。一年中のUV対策が、いちばんの予防です。
② うるおいを保つ
乾燥ぐすみは、保湿で”見た目のトーン”が変わることも。(乾燥ケアの記事も → 内部リンク)
③ ターンオーバーを、やさしく助ける
古い角質のくすみには、生まれ変わりを妨げない生活を。ただし——ゴシゴシ角質を取る、は逆効果。こすらず、やさしく、が基本です。
④ 糖化・酸化を意識(内側から)
黄ぐすみには、血糖を急に上げない食べ方も。あくまで一因として、無理なく。
化粧品でできるのは「予防」まで。“消す”は医療の領域
ここは、薬剤師として、正直にお伝えします。
化粧品や医薬部外品にできるのは、主に「予防」です。
美白有効成分(トラネキサム酸・ビタミンC・ナイアシンアミドなど=医薬部外品)には、メラニンの生成を抑えて、これ以上シミを作らせない・濃くさせない、という働きが認められているものもあります。
一方で、“すでにはっきり出てしまったシミを、確実に消す”のは、基本的に医療の領域。「シミが消える」とうたう化粧品があっても、そこは過度に期待しないのが賢明です。
→ もう出てしまったシミを、しっかりケアしたい場合は、皮膚科・美容皮膚科という選択肢を。レーザーや処方など、化粧品にはない方法があります。
「予防は化粧品で、できたシミは医療で」——そう分けて考えるほうが、遠回りに見えて、いちばん確実です。
「攻めるケア」は、肌を見ながら慎重に
くすみが気になると、レチノールやピーリング(AHA・BHA)、美白系の成分などを使いたくなります。
いずれも役立つとされますが、ゆらぎやすい更年期の肌には、刺激が強すぎることも。レチノールは低濃度から/AHA・BHAは使う頻度に注意して、少量・様子見で。心配なときは、専門家に相談を。
⚠️ こんなシミは、皮膚科へ
ほとんどのシミは、心配のいらないものです。でも、次のような場合は、念のため皮膚科で診てもらってください。
- 形がいびつ、色がまだら
- 短期間で、大きく・濃くなってきた
- 出血したり、盛り上がってきた
まとめ|くすみ・シミは「予防」と「正直な線引き」
更年期のくすみは、代謝の低下・乾燥・紫外線を主に、いくつもの要因が重なって起きるもの。
だから——
- 紫外線対策で、新しく作らせない(最優先)
- 保湿で、うるおいのトーンを保つ
- こすらず、やさしく(角質の取りすぎはNG)
- 内側(糖化対策)も、一因として意識する
- そして——できたシミは、化粧品ではなく、皮膚科という選択肢も
“消す”に期待しすぎず、”予防”と”正直な線引き”で向き合う。それが、これからの肌と、賢くつきあう方法だと思います。
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