EMS・RF・マイクロカレント、何が違う?

ハリ・たるみケア

「ハリ・たるみ」が気になったとき、美顔器はどこを見ればいい?

前回は、

「そもそも、美顔器って何?」

というところから、家庭用美顔器の種類をざっくり整理しました。

LED、RF、EMS、マイクロカレント……。

調べてみると、思っていた以上にいろいろあります。

そして、ここからが問題。

たとえば、

「フェイスラインが気になる」
「なんとなく頬が下がってきた」
「昔より、顔にハリがない」

そんなときに美顔器を探すと、

EMS。RF。マイクロカレント。

このあたりが、かなりの確率で出てきます。

でも。

全部「ハリ」「引き締め」「リフトケア」みたいな言葉で紹介されていて、

つきつじ
つきつじ

結局、何が違うの?

となる。

私も、ここがよく分かっていませんでした。

なので今回は、この3つを整理してみます。


まず、3つは同じものではありません

すごく大ざっぱに分けると、

EMS → 筋肉に電気刺激を与える

RF → 電磁波によって組織を温める

マイクロカレント → ごく弱い電流を流す

という違いがあります。

つまり。

同じ「ハリ・たるみ系」の美顔器として並んでいても、

肌に対してやっていることは、同じではない。

ここが最初のポイントでした。


EMS|「筋肉」に電気刺激

EMSは、Electrical Muscle Stimulation。

電気刺激によって、筋肉を収縮させる技術です。

お腹や脚につけるトレーニング機器を思い浮かべると、分かりやすいかもしれません。

顔用のEMSも、基本的な考え方は同じ。

電気刺激によって、顔の筋肉にアプローチします。

実際、顔への神経筋電気刺激を8週間行った研究では、皮膚弾力や顔の形態などに変化が報告されています。

ただし、ここで注意したいのが、

「筋肉を動かす=たるみが治る」ではない

ということ。

顔のたるみは、筋肉だけで起こっているわけではありません。

皮膚。

コラーゲンやエラスチン。

皮下脂肪。

さらに、その下の組織。

いろいろな変化が重なって、私たちが「たるんできた」と感じます。

だからEMSは、

たるみそのものを治療する機械というより、筋肉への刺激を利用した美容機器

くらいに考えておく方がよさそうです。


RF|こちらは「熱」

一方、RF。

Radio Frequency、日本語では「高周波」と呼ばれます。

EMSとは、かなり仕組みが違います。

RFは、電気で筋肉をピクピク動かすことが目的ではありません。

電磁波を利用して、

皮膚の内部に熱を発生させる。

こちらがポイントです。

美容医療でもRFは使われています。

研究では、RFによる加熱によってコラーゲンのリモデリングなどが起こり、皮膚のハリや弾力への作用が検討されています。

だから、

EMSが「筋肉」なら、

RFはどちらかというと、

「皮膚・コラーゲン側」

を見るもの。

私はここを分けると、一気に理解しやすくなりました。

ただし。

美容医療で使われるRFと、家庭用美顔器のRFを、

同じものとして考えることはできません。

出力も違えば、熱の入り方も違う。

実際、RFの顔・首への効果をまとめたシステマティックレビューでも、家庭用機器は対象から除外されています。

「RFにはこういう研究がある」

と、

「だから、この家庭用RF美顔器でも同じ効果が出る」

は、別の話。

ここは美顔器を見るときに、かなり大事だと思っています。


では、マイクロカレントは?

いちばん分かりにくかったのが、これ。

同じ電流でも、EMSとは別物です。

マイクロカレントは、生体電流に近い、ごく弱い電流(μA単位)。EMSのように筋肉をグッと動かすのではなく、ビリビリも感じないくらい、微弱

面白いのは、そのルーツが「傷の治り(創傷治癒)」の研究だということ。

美容でよく聞く「ATPが5倍に増える」——あれの出どころは、1980年代の、ラットの皮膚を使った研究(Cheng)です。

でも。

「ラットの皮膚で、ATPが増えた」と、「人の顔に家庭用美顔器を当てて、たるみが変わる」は、かなり話が飛んでいます

顔への美容効果の臨床研究も、いくつかはあります。

ただ、EMS・RFに比べると、質の高い研究がまだ少なく、”確立”とは言いにくいのが正直なところ。

だから、マイクロカレントは——「効かない」でも「ATPで若返る」でもなく、“ルーツは傷の治り、顔の美容効果はまだ研究途上”。このくらいの温度で見るのが、誠実だと思います。

3つ並べると、こういうこと

ここまでを、ものすごく単純にすると。

種類主な考え方ざっくり言うと
EMS電気刺激筋肉を刺激する
RF高周波による加熱皮膚・コラーゲン側へ熱でアプローチ
マイクロカレント微弱電流弱い電流によるコンディショニング

こうして見ると、

同じ「ハリ・たるみ」のカテゴリーに入っていても、

やっていることは、かなり違います。


「たるみには、どれが一番?」とは簡単に言えない

ここまで調べると、

「じゃあ結局、どれを買えばいいの?」

と思いますよね。

私もそう思います。

でも、これは意外と簡単には決められません。

なぜなら、

私たちがひとことで「たるみ」と呼んでいるもの自体が、

ひとつの原因で起こっているわけではないから。

筋肉の変化もある。

皮膚の弾力低下もある。

コラーゲンも変わる。

脂肪の位置やボリュームも変わる。

骨格の加齢変化まであります。

だから、

「たるみにはEMS」

「40代ならRF」

と、一言で決めてしまうのは少し乱暴。

大事なのは、

その美顔器が、何を使って、どこに、どう働きかけようとしているのか。

まずそこを見ることだと思います。


美顔器を見る目が、少し変わってきた

第1回では、

美顔器にはいろいろな種類がある、と書きました。

今回さらに調べてみて思ったのは、

「何に効くと書いてあるか」だけで選ぶと、分かりにくくなる

ということでした。

「ハリ」

「引き締め」

「リフトケア」

商品ページには、似たような言葉が並びます。

でも、

EMSなのか。
RFなのか。
微弱電流なのか。

ここを見るだけでも、その美顔器が何をしようとしているのかが少し見えてきます。

そして次に気になったのが、

「光」を使う美顔器。

LED。

IPL。

レーザー。

これも商品を見ていると、全部「光美容」のように見えます。

でも、もちろん同じではありません。

次回は、

「LED・IPL・レーザー。同じ“光”なのに何が違う?」

ここを整理してみようと思います。

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