前回は、EMS・RF・マイクロカレントについて整理しました。
筋肉を動かしたり、じんわり温めたり、微弱な電流を流したり。
「美顔器」とひとことで言っても、使っているエネルギーが違えば、肌への働きかけ方も違う。
そして今回は、もうひとつよく出てくるもの。
「光」です。
美顔器を調べていると、
LED、IPL、レーザー
という言葉をよく見かけます。
LEDも光。
クリニックで受けるIPLも光。
レーザーも、もちろん光。
じゃあ、

全部「光」なら、何が違うの?
私は、ここが最初よく分かりませんでした。
そこで今回は、美顔器を選ぶ前に知っておきたい「光美容の地図」を、できるだけシンプルに整理してみます。
そもそも「光」って、全部同じじゃない

私たちが普段「光」と呼んでいるもの。
実は、その中にはいろいろな波長があります。
ざっくり言えば、波長とは「光の種類」を分けるもの。
紫、青、緑、赤……と色が違って見えるのも、波長が違うからです。
そして、さらに波長が長くなって、人の目には見えなくなったところに赤外線があります。
美容の世界では、この「どんな波長の光を、どんなふうに肌へ届けるか」が重要になってきます。
そこで出てくるのが、
LED・IPL・レーザー。
同じ光でも、光の作り方や性質が違います。
① LED|比較的おだやかな光を当てる
まず、家庭用美顔器でもよく見かけるLED。
LEDは「Light Emitting Diode(発光ダイオード)」の略です。
赤色LED、青色LED、近赤外線など、機器によって使われる光が違います。
ここでポイントなのが、
LEDは、レーザーのように一点へ強いエネルギーを集中させる光ではない
ということ。
比較的広い範囲に、低いエネルギーの光を当てます。
そのため美容医療だけでなく、家庭用のLEDや美顔器にも使われています。
では、
そんな比較的おだやかな光を肌に当てて、本当に意味があるの?
と思いませんか。
実は、LED美容を理解するときに重要なのは、
「光で何かを焼く」
という考え方ではありません。
光を受け取った細胞に起こる反応を利用する、という考え方があります。
これが、あとで出てくる
PBM(フォトバイオモジュレーション)
です。
ここはLED美顔器を理解するうえでかなり大事なので、次回じっくり見ていきます。
② IPL|いろいろな波長を含んだ強い光
次はIPL。
IPLは、
Intense Pulsed Light
の略です。
レーザーとの大きな違いは、
ひとつの波長だけではなく、幅広い波長の光を含んでいること。
必要な波長をフィルターなどで選びながら使います。
美容医療では、メラニンやヘモグロビンなど、光を吸収するものを利用して施術が行われます。
シミやそばかす、赤みなどの治療で「IPL」という名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。
そして、ここで少しややこしいのが、
家庭用の光美容器にもIPLがある
こと。
たとえば家庭用の光脱毛器・光美容器にもIPL方式があります。
ただし、
家庭用IPLと美容医療のIPLは、同じ名前だから同じことができるわけではありません。
安全に家庭で使用できるよう、出力や設計、使用目的などが異なります。
「IPL搭載」と書いてあるだけで、美容クリニックのIPL治療と同じものだと考えないことが大切です。
③ レーザー|狙いを絞った光
そして、レーザー。
レーザーも光ですが、LEDやIPLとは光の性質が違います。
大きな特徴のひとつが、
特定の波長の光を、非常にそろった状態で出せること。
そのため、狙った対象へエネルギーを集中させやすくなります。
美容医療では、
メラニンを狙うもの。
血管を狙うもの。
水分に吸収させるもの。
など、目的によってさまざまな波長のレーザーが使い分けられています。
つまり、
「レーザー」というひとつの美容施術があるわけではありません。
何を狙うのかによって、使うレーザーも変わる。
ここも、美顔器を調べていて混乱しやすいところです。
3つを並べると、こんな感じ
ものすごく簡単に整理すると、
| LED | IPL | レーザー | |
|---|---|---|---|
| 光の特徴 | 比較的狭い波長帯の光 | 幅広い波長を含む光 | 特定の波長をそろえた光 |
| 光の広がり | 広い範囲 | 広い範囲 | 狙いを絞りやすい |
| 家庭用 | あり | あり | 一部あり※ |
| 美容医療 | あり | あり | あり |
| 主な考え方 | 光による生体反応など | 光を吸収する対象を利用 | 狙った対象へエネルギーを届ける |
※「家庭用レーザー」と医療用レーザーは、出力・用途・設計が大きく異なります。
こうして並べると、
同じ「光美容」でも、やっていることはかなり違う
ことが分かります。
「強い光ほど効く」ではない
ここで、ひとつ注意したいことがあります。
レーザーのほうが強そう。
IPLも医療で使われている。
LEDはなんとなく弱そう。
そう考えると、
「だったら、一番強いものが一番いいのでは?」
と思ってしまいます。
でも、美容機器はそう単純ではありません。
大事なのは、
何をしたいのか。
そして、
何をターゲットにしているのか。
です。
シミの原因となるメラニンを狙いたいのか。
毛のメラニンを狙いたいのか。
それとも、細胞が光を受け取ったときに起こる反応を利用したいのか。
目的が違えば、選ぶ光も変わります。
だから、
LEDとレーザーを「どちらが強い?」「どちらが上?」だけで比べること自体が、少し違う。
それぞれ、役割が違うんですね。
では、LEDは何をしているの?
ここまで調べてきて、私は逆にLEDが気になりました。
レーザーやIPLなら、
「メラニンが光を吸収する」
という話は、なんとなくイメージできます。
でもLEDは?
赤い光を顔に当てるだけで、
どうして肌に何かが起こるんだろう。
熱で焼いているわけでもない。
シミを直接壊しているわけでもない。
なのに、美容医療でも家庭用美顔器でも使われています。
ここを理解するために出てくるのが、
PBM(フォトバイオモジュレーション)
という仕組みです。
そして、その話をたどっていくと、
ミトコンドリア
という、なんだか美容とは遠そうな言葉まで出てきます。
でも実は、ここがLED美容のおもしろいところ。
次回は、
「なぜLEDの光を当てると、肌に作用するの?」
というところを、細胞の中まで少しのぞきながら整理してみます。

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